縄文人は、炭水化物なんて殆ど摂らなかった
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人間は、炭水化物を食べなくても、十分に生きていくことができる。
というのもてんかんの治療に用いられるケトン食療法や修正アトキンス式食事法では、炭水化物の量を厳しく制限した食事を、何週間も何ヶ月も続けるからだ。
ケトン食療法や修正アトキンス式食事法では、炭水化物を1日10グラム~15グラムに制限し、脂肪をエネルギー源として使えることを目指す。
そのためにケトン食療法の場合は、殆ど炭水化物を摂らない食事を、なんと2年前後も続けると言うから、人間って実は炭水化物を食べなくても良かったんだね。
ご飯やパンなどの炭水化物食品を、「主食」だと教えられて育った私などは、「人間は炭水化物なしでも生きていける」と言われても、にわかには信じられない話だったが、よくよく考えてみると、当たり前である。
というのも人類が農耕を始める前には、穀物なんて殆ど食べなかったはずだし、農耕を始めた後も、主食は獣肉や家畜の乳製品、あるいは魚や貝だったはずだ。
たとえば日本の縄文時代の遺跡として有名な、青森県の三内丸山遺跡に行ったことがあるが、ここには田んぼも畑もない。
小高い山の上に栗の木がたくさん植わっているだけで、とてもじゃないが、数百人もの人間が、何代も食っていけるような耕地などない。
三内丸山の縄文人たちは、数キロ離れた青森湾でとれる魚や貝と、野ウサギやムササビの肉や虫、エゴマやゴボウ、そして栗やクルミを植えて食べていたと考えられているが、となると、彼らが食べていた炭水化物量なんて、ごくわずかだろう。
江戸時代の日本人が、一番貧弱だった?!
縄文時代の日本人は、今みたいに米や小麦をバクバク食べることはなかった。
その後、大陸から稲作が伝わって、弥生時代・古墳時代・飛鳥時代と、時代が進み、穀物食が普及していく。
となると、どんどん栄養条件が整って、日本人の体格が良くなっていくのかと思ったら、なんと江戸時代に、一番体格が悪くなったのだという。
これは各時代の人骨の調査や、歯のエナメル質の状態から分かったことだが、縄文時代後期から明治の初期まで、日本人の体格は、どんどん小さくなっていったらしい。
太閤検地から江戸時代初期までは、諸大名が新田開発や食糧増産でしのぎを削った時代で、農地も増えたし生産性もアップした。
なので人口も1500万人から3000万人まで増えたのだが、それにもかかわらず飢饉で餓死者が出るし、体格も歴史上一番悪くなったというのだからビックリする。
その日本人の身長が10センチ以上も伸びたのが、戦後の昭和23年から平成19年の60年間だ。
この60年間の日本で何が起こったかというと、油をたくさん使うようになったことと、動物性タンパク質の増加だ。
油を使った中華料理や揚げ物を家庭でするようになり、動物性タンパク質の摂取量も17.8グラムから37.8に増えたのだ。
だからやはりタンパク質が重要だってことだな。
ただし、単純に炭水化物を減らして、高タンパク食にすれば、それで良いかというと、そう簡単な話でもないらしい。
何を増やすかによって、かえって病気のリスクが高まったりするのだ。