ココナッツオイルの抗菌力の正体は、ラウリン酸
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大人のアトピー性皮膚炎の話の続き。
人間の肌には様々な細菌が住んでいて、皮膚細菌叢(ひふさいきんそう/皮膚フローラ)と言うムラを作っている。
細菌叢とは、いろいろな細菌がコロニーを作って分布している状態を言う。
細菌はたいてい毛穴の中に潜んでいて、汗や皮脂をエサに繁殖していて、健康な人の肌は善玉菌の働きで弱酸性に保たれている。
皮膚は弱酸性の脂肪酸(油)と、皮脂に含まれる免疫グロブリンによって、ばい菌やウイルスなどから身体を護っているが、これが「皮膚のバリア機能」だ。
ところが何らかの理由で皮膚のバリア機能が衰えると、問題が起こる。
たとえばアクネ菌は、毛穴で繁殖してニキビを作る。
また歳をとると問題になる「加齢臭」も、皮膚に住んでいる真菌や白癬菌が原因で起こる。
特に皮膚が弱アルカリ性になると、黄色ブドウ球菌などの悪玉菌が繁殖し出す。
アトピー性皮膚炎の場合は、引っ掻いた皮膚に黄色ブドウ球菌が取り付いて、それがさらに指が届く範囲にまき散らされていく。
これを防ぐには、肌常に弱酸性に保ち、指先もキレイにすることが重要だ。
そのために最近注目されているのが、健康に良いとされるココナッツオイルだ。
ココナッツオイルには「ラウリン酸」という成分が多く、これが黄色ブドウ球菌に対して抗菌力を発揮するらしい。
ラウリン酸は、ココナッツオイルやパーム油に特に多い成分だが、抗菌性や抗炎症性を持っているのだ。
ココナツオイルのラウリン酸で、皮膚を滅菌
ラウリン酸は、石鹸やシャンプーに使われる、ラウリン酸ナトリウムの原料だ。
石鹸というのは、脂肪酸(油)に苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を反応させて作るが、その脂肪酸にラウリン酸が使われる。
このラウリン酸は、ココナッツオイルやパーム油にとくに多く含まれており、石鹸や洗剤にはパーム油がよく使われている。
一方、ココナッツオイルは、分解されやすい中鎖脂肪酸を多く含んでおり、ラウリン酸はその50%を占めている。
そのため、アトピー性皮膚炎が拡がるのを防ぐために、ココナッツオイルを肌に塗ると良いらしい。
しかもとある研究所の実験では、ココナッツオイルの黄色ブドウ球菌除去率は95%以上で、特に優れているらしい。
抗菌力がある油としては、他にもオリーブオイル等がよく紹介されるが、オリーブオイルでは50%程度しか除去できないらしい。
殺菌にはイソジンなどの殺菌剤を使う方法もあるが、強い殺菌剤は善玉菌も一緒に滅菌した上に、肌も荒らしてしまうので、善玉菌優性の皮膚細菌叢にはならない。
なのでにココナッツオイルを荒れた肌に塗り、皮膚を掻きむしっても黄色ブドウ球菌が拡がらないようにするのが、良いと言うことらしい。
もちろん指先も、爪を切り、石鹸でよく洗うことも重要だ。
アトピー性皮膚炎を予防する生活法
- 木綿素材のやわらかい衣類を着用する
- こまめに部屋掃除をする
- ほこりは徹底的に除去する
- 部屋の風通しを常に良くする
- 寝不足に気をつけて、無意味な夜更かしはしない
- 朝、定時に起きて、夜、定時に寝るといった生活を送る
- ストレス発散に努める
- 食事のバランスを整える