アクリルアミドは高温加熱調理で発生する

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アクリルアミドは、ポテトチップスやビスケットなど、高温で調理される食品に含まれる成分だ。

 

神経毒性があり、肝臓も壊す上、発がん性もあるという。

 

こんな劇物が食品にも含まれているとは、誰も考えていなかった。

 

ところが建築現場の作業員の健康をアクリルアミドがどれくらい害しているかと言う研究で、比較対象として、一般人を調査したところ、なぜかアクリルアミドの代謝物が検出されたのだ。

 

アクリルアミドは工業製品であり、劇薬だから一般人が触れられるようなモノでは無い。

 

なのに検出されたと言うことで、食品が疑われた。

 

そして芋などの炭水化物が多い食品に含まれており、野菜を油で揚げたり炒めたりと言った調理過程で、アクリルアミドが発生すると言うことがわかってきた。

 

一方、茹でたり蒸したりという調理では発生しないため、水分を使わない状態で、高温調理すると発生すると考えられる。

 

※因みに、もやしの炒め物ではアクリルアミドの濃度が高いため、食材そのものの水分量は関係ない。

 

アクリルアミドがどのような経路でどれくらい発生しているのかは、今のところまだハッキリしてはいないが、現時点では、アスパラギンとブドウ糖などの糖類がメイラード反応を起こす途中で発生すると考えられている。

 

そのほかにも考えられる経路がいくつかあるため、同時に様々な経路でできている可能性もあるし、高温加熱調理によって、他の劇物が発生している可能性もある。

 

なので現時点ではとにかく、揚げ物や炒め物を食べる回数を減らすとか、発がん性を押さえる野菜などを食べるなどの策しか無い。

 



アクリルアミドの無毒性値とADI値

アクリルアミドの毒性は、動物実験によって、LD50(半数致死量)が確かめられている。

 

アクリルアミドのLD50量は、ラット・マウス共に170mg/kgだ。

 

つまり体重1kgあたり、170mg摂取すると、半分は死んでしまうと言うことになる。

 

これは急性毒として働く場合の、アクリルアミドの毒性を表す値だ。

 

一方、中毒性の指標となるのが無毒性量(NOAEL)と呼ばれる数値だ。

 

NOAELは、No Observed Adverse Effect Levelの略でマウス・ラット・ウサギ・イヌを用いた実験動物で、どの動物にも毒性が見られなかった最大量だ。

 

アクリルアミドのNOAEL値は、0.2 mg/kg/日になる。

 

一方、毎日ずっと食べ続けても大丈夫だと考えられるADI値(Acceptable Daily Intake)は、アクリルアミドでは設定されていないらしい。

 

というのも、アクリルアミドは食品でもないし、食品添加物でもないからね。

 

ただしADI値は通常、NOAEL値の100分の1で計算されるので、アクリルアミドのADI値は、2mcg/kg/日ということになる。

 

体重60kgの人なら、ざっと120mcg(0.12mg/日)って事だ。

 

2006年の国際会議で議論された時のフライドポテトのアクリルアミドの含有量データが最大で5200mcg/kg(100グラム当たり520mcg)だったから、この危険なフライドポテト100グラム食べるだけで、軽くこれをオーバーしてしまう計算になる。

 

たしかにこれはちょっと危険な分量ってことだね。

 

食品中のアクリルアミドの含有量(mcg/100g)

最小 最大
ポテトチップス 11.7 377
フライドポテト 5.9 520
ポテトフリッター 4.2 277.9
じゃがいも(生) 1未満 5未満
ケーキ・パイ類/ビスケット 1.8 332.4
トースト 10未満 143
朝食用シリアル(乳幼児用を除く) 1.1 105.7
クリスプブレッド 3未満 283.8

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