同じ人と同じ事ばかり話していると、ボケる
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人と話さないと、会話能力は落ちる。
人と話していても、会話能力は落ちる。
というのも対人会話能力というのは、かなり高度な脳の使い方だからだ。
会話というのは、話す相手で変わる。
相手の様子を見ながら行うモノで、単に言いたいことを言うだけでは、まともな会話にはならないからだ。
相手を観察すると同時に、相手の言いたいことを理解し、自分の感情を抑えつつ、相手に何をどう話せば良いか、臨機応変に対応しないといけない。
そのために脳はフル回転させねばならず、どこかがうまくいっていないと、言葉に詰まったり頭が真っ白になったりする。
そして話す相手によって言葉や内容、話し方も大きく変えねばならないのも、会話の難しいところだ。
大人と話すとき、子供と話すとき、男性と話すとき、女性と話すとき、家族と話すとき、近所の人と話すとき、みんな話し方が大きく違っているはず。
同業者や同じ趣味を持つ人と話すときと、持っている価値観が違う人と話すときは、使う言葉のレベル自体もかなり変わる。
同業者や同じ趣味を持つ者とでは、専門用語で簡単に伝わることも、仕事や趣味が違う者には伝わらない。
たとえば家族や友達と話すときは、「アレ、どうした?」で通じる話も、よく知らない相手には全く通じない。
なので、人と話す機会が多くても、決まった人としか話していないなら、他人と話す能力は落ちてしまう。
自分と同じレベルで、同じ趣味の人と話すのは、脳は楽をしているため、退化してしまうのだ。
感情の抑制が効かないと、言葉に詰まる
言葉に詰まる、頭が真っ白になる。
これは、脳の機能が正常に働かず、脳がフリーズしている状態だ。
脳がボケる初期症状としては、物忘れや、これがよく起こるという。
ただし頭が真っ白になる場合には、感情の抑制が効かない場合もある。
結婚式のスピーチなどで、言葉に詰まって頭が真っ白になるのは、感情が高ぶってしまって、脳が正常に働かなくなるかららしい。
というのも実は、会話に必要な話を組み立てるという作業も、感情をコントロールするという作業も、脳の同じ場所で行っているからだ。
これらの作業は、脳の前の方の部分、「前頭葉(ぜんとうよう)」で行われていて、感情をコントロールするために前頭葉が忙しくなってしまうと、他のことができなくなってしまうのだ。
因みに前頭葉がどういう働きをしているかは、前頭葉に障害を負った人からわかる。
前頭葉障害の特徴
前頭葉に障害を負った場合は、次のようなことが起こる- 精神的柔軟性や自発性が低下する。
ただしIQ は下がらない。
- 会話が劇的に増加したり、あるいは減少したりする。
- 危険管理や規則の順守に関する感覚がおかしくなる。
- 人付き合いが増える、または減る。
- 眼窩前頭野に障害を負うと、独特な性行動につながる。
- 背外側前頭野に障害を負うと、性的興味がなくなる。
そして前頭葉に障害が起こっても、IQ(知能指数)が下がらないと言うことは、習慣になっていることをするときには、前頭葉を使わずともできるらしい。
これがつまり「人と会話が多い人でも、頭がぼけていく」という原因だ。