口腔内フローラと、ジンジバリス菌。

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口内フローラ(口腔内細菌叢)とは、口の中の細菌バランスのことだ。

 

腸の中には細菌が1.5kgから2.0kgも住んでいて、腸内フローラ(腸内細菌叢)を作っている。

 

皮膚にも細菌が色々住んでいて、皮膚フローラ(肌フローラ)を作っている。

 

これらは免疫力に大きく関係があって、我々の健康に大きな影響を及ぼしていることが近年明らかになってきている。

 

そして実は口の中にも細菌がたくさん住んでいて、フローラ(花畑)を作っている。

 

その種類はおよそ500から700種類と言われており、数にして百億個くらいらしい。

 

腸内細菌と比べると、はるかに少ない数ではあるが、健康には大きな影響がある。

 

と言うのも口の中の細菌や、細菌が作る物質は、虫歯や歯周病があると、血管に入り込みやすいからだ。

 

血管に有害細菌が紛れ込むと、約90秒ほどで全身にそれが回ってしまうので、体中の臓器に何らかの悪影響を及ぼしてしまう。

 

歯周病と密接な関連があるとされているのは、心筋梗塞やバージャー病、肋間神経痛、三叉神経痛、2型糖尿病、関節リウマチなどの病気だ。

 

そして最近よく話題になるのがジンジバリス菌(歯周病菌)だ。

 

ジンジバリス菌は「酪酸(らくさん)」という酸を作るのだが、酪酸が細胞内に入ると「過酸化水素」「遊離脂肪酸」が過剰に作り出され、強い「酸化ストレス」を引き起こす。

 

脳は酸化ストレスに弱いので、酪酸がたくさん血液中にあると、脳細胞にも悪影響が出て、アルツハイマー病の一因になり得る。

 

実際にラットの歯肉に酪酸を注射した実験では、記憶を司る「海馬」で、酸化ストレスを示すヘム・過酸化水素・遊離脂肪酸の濃度が平均80%くらい増えていたという。



ジンジバリス菌予防には、歯間ブラシと緑茶うがい

虫歯の原因は「ミュータンス菌」が作る乳酸だ。

 

ミュータンス菌が作る乳酸によって、歯が溶かされて虫歯になる。

 

一方、歯周病菌の一つであるジンジバリス菌は、酪酸を作り、歯周ポケットを作る。

 

歯周ポケットというのは、歯の生え際近くにできる隙間で、要するに歯茎の辺りできるポケットのような隙間だ。

 

さらには毛細血管にも小さな穴を開けてしまい、これが歯磨きの際の出血を引き起こす。

 

歯周ポケットの中でジンジバリス菌に寄って作られた酪酸がたくさんたまっており、ジンジバリス菌と酪酸は血管の穴から全身に流れていく。

 

そしてあちこちで炎症物質を作り、それがまた歯茎の健康を悪化させる。

 

またこのジンジバリス菌は、胃腸を通って腸内細菌のバランスを崩すことも分かってきた。

 

口の中でジンジバリス菌が大増殖すると、腸までそれが拡がり、腸内フローラが悪くなると言うことらしい。

 

では、どうすればジンジバリス菌から身体を守ることが出来るのか。

 

一つはまず、ジンジバリス菌の増殖を抑えることだ。

 

ジンジバリス菌のエサになるのは麦芽糖などの糖質で、特に白米は余り良くないらしい。

 

なので白米を食べたら、すぐに歯を磨いたりして、口の中に糖質が残らないようにする必要がある。

 

ジンジバリス菌もプラーク(歯垢)や歯の間に潜んでいるため、歯磨きだけでなく、歯間ブラシも週に最低一度は使うべきらしい。

 

また、歯を磨いた後に、緑茶うがいをすることで、ジンジバリス菌の増殖が抑えられるらしい。

 

緑茶のカテキンは、口臭予防効果があると言うが、実は口内フローラの悪玉菌を抑制するということだったんだね。


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