危険な肥満、サルコペニア肥満
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アンチエイジング関連の話題で、近年よく目にするのが「サルコペニア肥満」だ。
サルコペニア(sarcopenia)とは筋肉減少を意味する言葉で、ふくらはぎが異常に細くなった人は、サルコペニアに注意が必要だという。
体組成計で筋肉率(筋肉の割合)が
- 27.3%未満(成年男性)
- 20.0%未満(成年女性)
もっと簡単なサルコペニアの診断法としては、
- ふくらはぎの太さが、両手の親指と人差し指で作った輪より細くなっている
- 片足で靴下を履くことができない。
- ビンのふたが開けにくい
- 横断歩道を渡りきることができない
このサルコペニアに肥満が重なったのがサルコペニア肥満で、成人病・生活習慣病リスクが高くなったり、病気やケガをしたときの死亡率が2倍に跳ね上がるという。
というのも、病気やケガの時に身体は、筋肉を潰してグルタミンというアミノ酸(タンパク質)のだが、サルコペニアでは、筋肉量が少なくなっているため、生産されるグルタミンの量が不足して、病気やケガへの対応が間に合わなくなるかららしい。
年寄りが大腿骨を骨折すると、半年以内に半数が死んでしまうのも、実は筋力不足が原因らしい。
年をとったら筋トレを欠かさない
サルコペニア肥満は、太っているのに筋肉が減る症状だ。
太ると体重が増えるので足腰に負担がかかる。
そのため足腰の筋肉は細くならないはずだが、それでも筋肉が減ってしまうため、骨折などのケガのリスクが高まってしまう。
転倒しても筋肉があれば骨折を防いでくれるが、サルコペニア肥満では、筋肉が少ないため骨折しやすい。
そして一旦骨折すると、筋肉量が少ないため、骨折を治すために筋肉を潰してグルタミンを創り出すこともできない。
その結果、大腿骨を骨折した年寄りは、半年以内に半分が死んでしまうと言うわけだ。
原因は今のところ、運動不足だと考えられている。
運動不足によって各種ホルモンの分泌量が減り、筋肉に脂肪が紛れ込むという状態らしい。
牛肉の霜降りと同じ状態だね。
もちろんサルコペニアでなくても、肥満は生活習慣病リスクを上げるから、糖尿病や動脈硬化、心臓疾患・脳梗塞にもつながる。
これを防ぐには、タンパク質をしっかり摂って、筋力トレーニングを行う事が必要だ。
ただし年をとってからのトレーニングでは、若い頃のように簡単には筋肉がつかない。
というのも年をとると、性ホルモンも成長ホルモンも、分泌量が非常に減ってしまうため、代謝が遅いからだ。
そこでアルギニンのサプリメントを摂ったり、山芋の成分であるDHEAのサプリメントを飲み、足腰を中心に筋力トレーニングを行う。
タンパク質も、1日あたり体重の千分の一以上(60グラム~100グラム)を必ず食べて、効率よく筋肉をつけるように心がける。
一方、炭水化物は血糖値を上げるし、そのままでは中性脂肪になりやすいので、食事の後は軽い散歩などを行って、消費する。
運動をするとインスリンがなくても細胞のレセプタが開き、ブドウ糖をドンドン取り込んでくれるので、血糖値は上がりにくくなるし、中性脂肪もつかない。