アクリルアミドを減らす方法
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劇物であるアクリルアミドは、ポテトチップスやフライドポテト、ビスケットやクッキー、クラッカーなどに、非常に多く含まれている成分だ。
生のジャガイモや小麦には、アクリルアミドが含まれていないので、加工の過程でアクリルアミドが発生するということらしい。
現時点では、アミノ酸のアスパラギンと、ブドウ糖や果糖などが、高温調理によって結合し、発生したものだと考えられている。
ビスケットやクッキーなどは、砂糖などの糖分を加えるので、アクリルアミドが発生するのは納得できるが、ジャガイモでなぜアクリルアミドができるかというと、ジャガイモは保存中にデンプンが糖に変わるかららしい。
つまり長期保存したジャガイモを高熱で揚げると、アクリルアミドが大量に発生するわけだ。
なので収穫してからすぐに作ったポテトチップスと、収穫後半年以上立ってから作ったポテトチップスでは、アクリルアミドの含有量がかなり違うらしい。
このアクリルアミド、実は建築現場で使われる塗料などに含まれる成分だ。
劇薬であり、口や肺、皮膚から大量に吸収した場合、中枢神経及び末梢神経を麻痺させ、筋力低下、感覚異常、知覚麻痺、歩行異常などを引き起こす。
そのため、赤ちゃんや幼児に与えるビスケットなどは、特に気をつけたい食品の一つである。
他には、トーストの焦げや揚げ物の焦げに多く含まれ、ほうじ茶や麦茶、ココアやコーヒーなどの焙煎ものにもアクリルアミドが多く含まれている。
揚げ物や炒め物より、茹でたり蒸したもの
アクリルアミドの含有量には、現時点では制限が設けられていない。
というのもアクリルアミドは劇物だが、食品添加物ではないから、特に減らすすべも無いからだ。
またフライドポテトやクッキー、ビスケットなどという食品は、何百年も前から食べられており、それで特に問題は起こっていなかった。
しかし国際がん研究機関 (IARC) による発がん性が疑われる物質リストでは、Group2B(ヒトに対する発癌性が疑われる)からGroup2A(ヒトに対する発癌性がおそらくある)に格上げされ、製品中のアクリルアミド量を表示する国も出てきた。
アクリルアミドの多い食品は次の通りだが、一食あたりの量で考えると、ポテトチップスやフライドポテト、クッキーやビスケット、クラッカーなどの含有量が目立つ。
アクリルアミドが検出された食品
- ポテトチップ、フライドポテト、
- クッキー、ビスケット、クラッカー、芋けんぴ
- 食パンの耳、トーストや揚げ物の焦げ、
- ほうじ茶、麦茶、中国茶、ココア、コーヒー、
- かりんとう、アーモンド
- きな粉、カレー粉、インスタントラーメン
食品中のアクリルアミドの含有量が多い食品(mcg/100g)
最小 | 最大 | |
ポテトチップス | 11.7 | 377 |
フライドポテト | 5.9 | 520 |
ポテトフリッター | 4.2 | 277.9 |
じゃがいも(生) | 1未満 | 5未満 |
ケーキ・パイ類/ビスケット | 1.8 | 332.4 |
トースト | 10未満 | 143 |
朝食用シリアル(乳幼児用を除く) | 1.1 | 105.7 |
クリスプブレッド | 3未満 | 283.8 |
また野菜の天ぷらやモヤシ炒めなどでも、アクリルアミドが発生することがわかっているので、焼いたり揚げたモノより、茹でたり蒸す調理方法の方が良い。
揚げ物も、しっかりと狸色になるまで揚げるのでは無く、低温でゆっくり揚げて、キツネ色になる前で止めるだけでも、アクリルアミドの量を減らすことができるという。
炭水化物を加熱するとAGES(エイジズ)という、糖化生成物(老化物質)も発生するので、可能な限り低温調理を心がけるべきだろうね。