ありふれたストレッチとスクワットが、健康寿命を延ばす?
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年を取ると身体や関節が硬くなる。
これは関節や筋肉を覆っている組織のコラーゲン・タンパクが糖化されて弾力を失ったからだという。
コラーゲンは寿命が長いタンパク質なので、いったん弾力を失うと何年もそのままになり、それで年寄りは身体が硬くなっているわけだ。
ところがストレッチをすると、このコラーゲンの再生が早まるのだという。
コラーゲンやエラスチンなどを作っているのは、線維芽細胞(せんいが・さいぼう)という細胞なのだが、ストレッチによる刺激で、この線維芽細胞が活性化し、糖化で硬くモロくなったコラーゲンが作り替えられる。
つまり、老化で硬くなった身体も、ストレッチによって、柔らかくできるというわけだ。
では実際にどのようなストレッチを行えば良いかというと、運動前によくやる、ごく普通のストレッチで良いらしい。
肩周りのストレッチや、股関節周りのストレッチ、太ももの前面のストレッチや太ももの後ろ側(ハムストリングス)のストレッチなど、本当にごくありふれたストレッチで十分だ。
椅子を使ったスロー・スクワットのやり方
老化を遠ざけるには、筋力トレーニングが必須だ。
筋力トレーニングにも色々あるが、一番効果があるのはスクワットだという。
というのも人体の筋肉で、一番大きいのが足腰周りの筋肉で、鍛えることによって基礎代謝量も上がるという。
スクワットがなぜ良いかというと、下半身の殆どの筋肉が動員されるからだという。
たとえば太ももの前側の筋肉である「大腿四頭筋」、太ももの後ろ側にある筋肉である「ハムストリングス」、臀部の筋肉である「大臀筋(だいでんきん)」、ふくらはぎの2つの筋肉や、背中を支えている「脊柱起立筋」など、いずれも太くて長い筋肉だ。
スクワットのやり方としては、手ぶらでやる方法や、バーベルを担いだり、鉄アレイを持ったりと色々あるわけだが、膝の負担が少なくて、介護のリハビリなどで使われるのが、椅子に座った状態から立ち上がるスクワットだ。
スロー椅子スクワット(スロー・ベンチ・スクワット)のやり方
※がっしりした椅子に座る。
この場合は、太ももの裏側のハムストリングス筋が対象。
椅子に座った状態で、両手で両足首をつかむ。
そのまま腰を上げて、太ももの裏側の筋肉を数十秒ほど軽く伸ばす。
- 両手のひらを太ももの上に置く(股関節近くに置く)
- 股関節を閉じて(下腹と太ももの前面で手のひらを挟むようにして)、軽くお辞儀をする
- 十分に両足に体重が乗ったら、ゆっくりと真上に立ち上がる。
- 手のひらを下腹と太ももの前面で挟むようにして、ゆっくりしゃがむ。
- 椅子に腰掛けて終了。
これを10回くりかえす。
筋力をつけるには、できるだけゆっくり動かす方が良いが、たまには速くやって変化をつけるのも効果的。
脚を前や横に出す「レッグ・ランジ」も良い。