老人性乾皮症で、皮膚のバリア機能が衰える
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歳をとると、子供の頃にかかるような病気になりやすくなる。
歳をとって子供の病気にかかるようになるなんて、ちょっとビックリする話だけれど、大人になってからかかる人は少ない肺炎も、歳をとるとかかりやすくなる。
これは成年や中年の頃には考えられなかったことだから、一体どういうわけだという感じだ。
しかし歳をとるにつれ免疫力も衰え始め、さらに新陳代謝が悪くなるため、回復力がなくなってくるのが原因らしい。
「大人のアトピー性皮膚炎」も、歳をとってかかりやすくなる病気の一つだ。
歳をとると、皮膚の状態が悪くなってくる。
皮膚には十数種類の細菌が住んでいて、皮膚細菌叢(ひふさいきんそう/皮膚フローラといもいう)を作っている。
叢(そう)というのは草むらの意味で、あちこちに細菌が固まって住んでいて、コロニーを作っているわけだ。
これが若い頃とは変わってきてしまい、そのせいで肌のバリア機能が弱くなる。
老人性乾皮症(かんぴしょう)といって、皮膚が乾きやすくなり、硬くなったり、ひび割れたりしやすくなるのもそのせいだ。
老人性乾皮症の場合は、男性ホルモンの一種であるアンドロゲンの分泌量が落ちて、皮脂の量が減るのが原因だとされている。
床ずれなども、皮膚の乾燥が原因の一つとして上げられていて、肌の水分は肌の健康に重要な役割を担っている。
そして大人のアトピー性皮膚炎も、皮膚のバリア機能低下と関連があるらしい。
大人のアトピー性皮膚炎 対処法とは
大人のアトピー性皮膚炎とは、大人になってから発症するアトピー性皮膚炎だ。
子供の頃のアトピーが再発したり、子供の頃はアトピーではなかったのに、歳をとってからアトピーになったりする。
アトピー性皮膚炎の特徴は、とにかく「かゆくなる」ってことだ。
アトピーの原因がなんなのかはよく分かっていないが、ストレスや睡眠不足で悪化することは確かなようだ。
ダニや金属アレルギーなどの、アレルゲンが原因となっている場合も多いらしい。
そして、
肌が痒く(かゆく)なる
→掻きむしる
→肌に細かな傷が付く、皮膚がめくれる
→かさぶたなどができてさらに痒くなる
→さらに掻きむしってかさぶたをはがしたり、傷を増やす
→痒さがまた増える
…という感じで、どんどん痒い範囲が拡がっていく。
そのため、とにかく痒みを抑えるために、ステロイド配合軟膏などが使われるのだが、これは対処療法で、なかなか完治は難しいようだ。
因みにアトピー性皮膚炎を悪化させないためには、次のようなことが挙げられている。
アトピー性皮膚炎を予防する生活法
- 木綿素材のやわらかい衣類を着用する
- こまめに部屋掃除をする
- ほこりは徹底的に除去する
- 部屋の風通しを常に良くする
- 寝不足に気をつけて、無意味な夜更かしはしない
- 朝、定時に起きて、夜、定時に寝るといった生活を送る
- ストレス発散に努める
- 食事のバランスを整える
木綿素材の柔らかい衣服というのは、化繊の擦れるような服を避けるという意味で、とにかく皮膚に刺激を与えないことが目的だ。
一方、近年、アトピー性皮膚炎に関して、新しい発見があった。
というのもアトピー性皮膚炎にかかっている人の肌には、黄色ブドウ球菌が大量に増えているというのだ。
痒みを欠くことで皮膚が傷つき、黄色ブドウ球菌が感染して、それがさらに拡がっていくらしい。