長生きのために、どれくらい運動すれば良いのか
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運動習慣のあるなしは、死亡率に直結する。
たとえば革命アンチエイジングという本には、ハーバード大学卒業生16,000人を対象にした生活と疾病に関する長期調査結果が載っている。
それによると、週に500kcal以下しか運動しなかった人は死亡率が一番高かった。
500kcal以上1,000kcal未満では、22%下がった。
1,000kcal以上3,500kcal未満では、54%下がった。
週 3,500kcal以上では、死亡率は38%下がった。
500kcalとは、ウォーキング8km程度の運動で、すなわち死亡率が一番低かったのは、16kmから56km程度のウォーキングを毎週行っていたグループだということになる。
毎日、1万歩ほど歩けば健康に良いと言われるが、1万歩は距離にして約7.5kmになるから、500kcal弱だ。
また1万歩歩くのにかかる時間は、2時間弱くらいになるので、一週間に、2万歩~7万5000歩くらい歩くか、週に4時間~10時間ほど歩けば良いってことだな。
アメリカの心臓病学会では、毎日30分の運動を奨めているが、これは最低限の運動量だと思った方が良さそうだ。
というのも毎日30分歩いても、週4時間に届かないし。
たとえ痩せなくても、運動することは良い
ハーバード大学卒業生の追跡調査結果を参考にすると、週に16km以上ウォーキングをすると、慢性病の死亡リスクを減らせる。
毎日30分以上、2km以上歩けば、デスクワークが原因の病気を防げる。
運動不足は、高血圧や高コレステロールを招き、タバコを吸うよりも寿命を縮めるという。
また運動不足になると、認知能力が低下し、睡眠などにも影響してくる。
というのも運動しないと脳への血流が滞り、化学物質の排泄や、神経伝達物質の生産も滞るからだという。
たとえば生体リズム・神経内分泌・睡眠・体温調節などの生理機能を担う脳内物質に「セロトニン」がある。
セロトニンは、消化器系や気分、睡眠覚醒周期、心血管系、痛みの認知、食欲などを制御しているのだが、ウォーキングや咀嚼、呼吸運動などの「リズム性運動」が重要で、リズミカルに運動することによって、うまく分泌される。
なので運動すると、気分も良くなって、軽度・中度のウツ病患者にも、よい影響を与えるという。
拒食症や過食症にも、運動療法で効果がある。
ただし毎日同じ運動ばかりすると脳に刺激がなくなるので、数種類の運動を組み合わせてやる方が良い。
ジョギング、ウエイト・トレーニング、ダンス、などという種目の組み合わせや、同じ種目の運動でも、調子の良いときは激しくやり、調子がもう一つの時は、非常にゆっくり動いてみるとか、変化をつけることが効果が上がる。
また1日30分の運動は、1度にやらなくても、10分ずつ朝昼晩に分けて行っても良いという。