前頭葉の働きは、目に出る
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ボケている人は、目が動かさないという。
脳の前頭葉というのは、レーダーの司令部のようなところで、周囲の変化に敏感に反応して、それに適切に対応しようとする。
そのため、前頭葉が動いている人は、目をキョロキョロ動かすだけでなく、耳や鼻など、五官を総動員して、様々な情報を集めようとする。
そして新たに集めた情報と、自分が以前から持っている情報を、比較検討して判断するわけだ。
一方、重いボケ症状の患者さんは、前頭葉の働きが鈍く、目が動かない。
目が動いていないときは、おそらく耳や鼻なども動いていない。
これは周囲の状況や変化に、注意を払っていないと言うことらしい。
そして周囲の変化に気づかないために、さらにまた前頭葉の活動が鈍くなり、ボケが進むという悪循環に陥っている。
普通の病気なら、休むことが重要で、体調が悪ければとにかく休めば良いのだが、ボケで「なんか調子が悪い」と思って休むと、休んだことで、さらにボケが進んでしまう。
ボケというのは、酔っ払って、羞恥心や自制心がなくなるのと似た症状だが、ボケは酒とは違って、休んでも治らない。
酔っ払いは酔いが醒めると正常に戻るが、ボケ症状は休んでも治らないどころか、休めば休むほど、さらに働きが悪くなるのだ。
目が疲れた、頭が疲れた、と思って、ちょっとくらい休むのは必要だけど、一日中寝ていたからと言って、頭は冴えて困るということはない。
それよりも、外に出て散歩をするとか、買い物に出かけるとか、旅行に行くとか、身体と五官をフルに動かした後、ぐっすりと寝る方が頭には良い。
目や身体を動かさないと、前頭葉は衰える
頭がぼけている人は、目が動かない。
前頭葉の働きが鈍い人は、自発的に活動しようとしないので、目を動かす必要性を感じていない。
それがまたボケを進行させるという悪循環に陥っている。
というのも我々は目を動かすと同時に、耳や鼻などを総動員して、多種多様な情報を集めている。
そしてそれを元に様々な判断をし、会話したり決断を下したりする。
これを行うのが前頭葉の機能だ。
ところが前頭葉は使わないと、血流が減って能力が落ちてしまう。
筋肉は使わないと弱くなってしまうが、脳の機能も筋肉と同じように、使わないと血の流れが悪くなり、血管も細くなって衰えていくのだ。
そのため、一日中、テレビをみたり、毎日、何時間もパソコンに向かって作業するような生活が続くと、前頭葉の能力が徐々に衰えてくる。
テレビを見て過ごしているだけの年寄りが、なぜ早くボケてしまうかというと、前頭葉を殆ど使っていないかららしい。
テレビもパソコンのモニターも、平面に映る画像を見ているだけだから、奥行きがあるように見えていても、実際の目の動きは単純な動きだ。
焦点距離はずっと同じだし、身体もほとんど動かさないで済むため、脳の前頭葉をさほど使わないらしい。
なので、テレビを見続けたり、延々ゲームをし続けたり、パソコンに何時間も向かっていると、前頭葉が働かないのでボケるという。