人工甘味料でモラルハザードが起こる?
更新日:
肥満解消のために開発されたダイエットコーラやダイエットソーダ。
肥満と心臓病に悩むアメリカでは、カロリーの殆どない人工甘味料を使ったダイエットドリンクが大ヒットし、ドリンク類の3割以上のシェアを獲得した。
ところが最近、ダイエットドリンクの売り上げが落ちているという。
というのも、ダイエット飲料を飲んでもほとんど痩せられないことが分かってきたからだ。
ダイエット飲料を飲み続けているのに、なぜだか痩せられない人が多く、どうもこいつは役に立たないらしいぞ、ということらしい。
ではダイエットコーラやダイエットソーダは、カロリーが殆どないのに、なぜ痩せられないのか。
これには3つの原因が考えられている。
一つ目は「モラル・ハザード」、二つ目は「血糖値」、三つ目は「依存性」だ。
1つめのモラル・ハザードというのは、自動車保険などで「保険がかかってるから多少のことは大丈夫」だと思って、以前より乱暴な運転をしてしまう、という人間心理のことだ。
つまり「カロリーゼロのコーラを飲んでるから、多少カロリーがある食べ物を食べても大丈夫」だと考えて、ピザなどの高カロリー・高炭水化物の食品を食べてしまうのだ。
要するに、たくさん食べるための言い訳として、ダイエットコーラやダイエットドリンクを飲んでるだけ、ってことだ。
かつてはこのモラル・ハザードが原因だと考えられていたようだが、最近は人工甘味料の作用にも原因が求められるようになった。
というのも、人工甘味料が血糖値を上げることがわかったからだ。
人工甘味料は血糖値を上げる
人工甘味料は、甘いが糖ではない。
ところがなぜか血糖値を上げてしまう。
これは人工甘味料が分解されて、ブドウ糖に変換されるわけではなく、細胞のインスリン抵抗性を上げてしまうかららしい。
インスリン抵抗性というのは、細胞がインスリンに抵抗して糖を取り込まない現象で、これによって血液中のブドウ糖が取り込まれずに、高血糖状態になる。
そしてインスリンが足りないと言うことで、膵臓がインスリンを追加分泌して血糖値を下げるのだが、そのあと低血糖状態に陥り、今度は思考力が低下し、食べ物に飢えるようになり、凶暴性が増す。
人間は飢えると「闘争・逃避ホルモン」であるアドレナリンなどが分泌され、攻撃性が増すのだ。
それを抑えるためにまたダイエットコーラなどを飲むが、結局抑えきれずに色んなモノを無茶食いしてしまうというわけだ。
そして最近は、「甘み自体が問題」だということも言われ出した。
というのも甘みを感じる受容体(レセプター)は、砂糖にも人工甘味料にも反応することがわかり、カロリーがなくても甘みを感じると身体は同じように反応することが分かってきたからだ。