下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは
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下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう)とは、脚の血管にできる「こぶ(瘤)」のことだ。
ふくらはぎの内側にコブがボコボコとできたり、太ももの裏側や膝裏に血管が太くせり出してきたりする。
また血管の流れが、青紫色の網目状や蜘蛛の巣状に、浮き出たりする。
ふくらはぎの内側や、太ももの裏側などがボコボコになったりデコボコになったりするので、とてもじゃないが美しいとは言えない脚になる。
下肢静脈瘤は、ヒドい状態になると外科手術が必要になるが、そこまで重症にならなければ、手術する必要は無い。
ただ見栄えが悪いことこの上ないし、下半身がダルくなったりするため、美容的観点からは予防が必要だろう。
この下肢静脈瘤は、歳をとればとるほど起こりやすい。
ピークは60歳前後だが、40歳くらいから症状が目立つようになる。
というのも下肢静脈瘤とは、一種の老化現象で血管の病気だからだ。
静脈には、血液の逆流を防ぐための弁があるのだが、これが老化で壊れる。
逆流を防ぐ弁が弱ったり壊れて、弁の下に血液がたまりやすくなる。
いわゆる鬱血(うっけつ)なのだが、これがどんどんヒドくなって行き、非常に外見が悪くなってしまう。
また下肢静脈瘤を放置していると、「うっ滞性皮膚炎」(鬱滞性皮膚炎)に発展することもある。
下肢静脈瘤の特集動画
下肢静脈瘤の対処法
下肢静脈瘤は、大きく分けて4つのタイプに分類される。
それが、
- 伏在型(ふくざいがた)
- 側枝型(そくしがた)
- 網目状
- くもの巣状
この中で手術が必要になるのは、最初の「伏在型静脈瘤」だ。
伏在型静脈瘤には大と小があり、膝の内側の静脈瘤ができるのを「大伏在静脈瘤」と呼ぶ。
大伏在静脈瘤は、足のつけ根の静脈弁が壊れることによって起こるタイプで、手術が必要な静脈瘤で最も多いタイプだという。
一方、小伏在静脈瘤は、膝ウラの静脈弁が壊れて、ふくらはぎに静脈瘤が出る。
伏在型以外の静脈瘤は軽度な静脈瘤で、外見は見にくくなるが、手術は必要ない。
ただ老化現象なので、自然に治ったり改善することはない。
また重症化すると、「うっ滞性皮膚炎」を合併し「潰瘍」ができたりしてしまう。
下肢静脈瘤になりやすいのは、1日10時間以上、立ち続けるような職業の人で、出産経験のある女性の2人に1人がなるという。
予防法としては、ふくらはぎのマッサージや散歩、寝転んで脚を上げてブラブラする、弾性ストッキングなどの利用、等がある。
弾性ストッキングというのは、足のむくみを取るためのストッキングで、ふくらはぎをギュッと締め上げて血流を良くするヤツだが、市販のモノと医療用のモノがある。
医療用の弾性ストッキングは、市販の一般のモノよりキツくて強力だ。