年を取ると、ストレスが長引く
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年を取ると、ストレスに弱くなる。
長い人生で色んな経験をして、色んな知恵を身につけても、肉体はジワジワ壊れていく。
その最大の原因は、身体を守ってくれるホルモンの分泌量が減少することだ。
アドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾールなどは、ストレス時に血圧や体温や血糖値を上げ、戦いや逃走に備えるホルモンで、年を取ってもさほど分泌量は減らない。
これらは命の危険に対処するホルモンなので、年を取っても、さほど減らないのだ。
しかし成長ホルモンや性ホルモンなどの身体を守ったり、身体を修復する種類のホルモンは、年を取るにつれて分泌量が減る。
成長ホルモンや性ホルモンは、成長したり子供を残したりするためのホルモンなので、成長し終わったら少しずつ減っていくのだ。
なので年を取ると新陳代謝が悪くなり、身体が壊れても素早く修復できなくなる。
そして若い頃には何ともなかったストレスでも、耐えることができなくなって、ストレスが長引く。
ストレスにさらされている状態では、抗体ができにくくなり免疫力も低下するし、傷の治りも遅くなる。
またアドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾールなどの放出は、心臓発作のリスクも高めてしまう。
心臓発作で一命を取り留めたとしても、フリーラジカル(活性酸素など)が大量発生し、それで脳に大きなダメージが加わる。
特に注意が必要なのが「怒り」のストレスで、心臓発作を起こした人の半分は、怒りをぶちまけた後の2時間以内に発作を起こしているという。
怒りに打ち震えると心臓発作リスクが急上昇
年を取るとストレスに弱くなる。
そしてちょっとしたストレスでも、放っておくと気がつかないうちに、ひどい状態に陥っていたりする。
ストレスに対する反応は、警告反応期・抵抗期・疲労困憊期という3つの段階があって、通常は疲労困憊期に進む前にストレスを解消すれば良いのだが、年寄りにとっては警告反応期も非常に危険である。
というのも年寄りのストレスは心臓発作の引き金になるからだ。
特に危険なのが「怒り」や「癇癪(かんしゃく)」で、怒りをぶちまけると、心臓発作を起こしやすいと言う。
癇癪を起こすと、それが強烈なストレスになって、アドレナリンやノルアドレナリンが大放出され、血管が収縮し、血圧と脈拍が急上昇し、血小板の粘度が高まる。
血小板の粘度が高まると、血栓リスクが増すので、一気に急性心筋梗塞まで進んでしまうと言うことらしい。
感情は表に出さないとストレスになると言って、怒りも発散させねば身体に悪いという人もいるが、こと心臓発作に関して言えば、怒りはハイリスクだ。
怒りの感情は、怒りが怒りを呼んで燃え上がりやすい上に、尾を引きやすい。
というのも怒っている間というのは、ずっと腹の立つことばかりを考え続けてしまい、その腹の立つことを思い出すたびに、怒りはさらに積み重なってゆくからだ。
そしてたとえ怒りを相手にぶつけても、気が晴れることはなく不快感がずっと続くから、心臓には非常に危険な状態で、一刻も早く怒りを静める努力を始めないといけないらしい。
怒りを発散するには「物の見方を変えること」が重要で、いくら当たり散らして怒りをぶちまけても、怒りは発散されないのだ。
散歩をしたり、楽しい番組や映画を見たりして、腹立たしい記憶を一定時間、遮断すると良いらしい。