炭水化物を食べない食餌療法もある。
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老化の原因の一つは、炭水化物の取り過ぎだった。
取り過ぎた炭水化物が血糖値を上げ、その高血糖が体内のあちこちで反応し、皮膚や血管、骨や関節をモロくしてしまう。
肉やタマネギを焼いたときにできる焦げが、実は体内でもできていて、それが肌や細胞に蓄積して悪さをする。
年を取ると肌の張りがなくなり、茶色いシミや斑点ができたり、動作が鈍くなって、骨折しやすくなったりするのは、実はみんな炭水化物が関係していたわけだ。
なので根本的な老化対策の一つの柱は、炭水化物を可能な限り減らすと言うことになる。
では一日に、炭水化物はどれくらい必要か、…と調べてみると、実はよく分からない。
というのも、タンパク質や脂肪は、身体の材料になる栄養なので、どうしても食べなければならない栄養素であるが、炭水化物はエネルギーにしかならないので、最低必要量がよく分からないのだ。
いってみれば、炭水化物というのは、必ずしも食べなくても良いモノだったのだ。
学校などでは、タンパク質・脂質・炭水化物の3つを、3大栄養素として習っているが、これは食べている量が多い栄養素という意味でしかなく、炭水化物は必須栄養素ではなかったのだ。
実際、難治性てんかんの治療に使われるケトン食療法では、脂質の摂取量を増やし、サプリメントなどを併用することで、炭水化物を1日10グラム以下に制限した生活をなんと2年も続けるという。
ケトン食療法と、修正アトキンス・ダイエット
難治性てんかんの治療には、100年くらい前から現在まで、ケトン食療法が行われてきた。
ケトン食療法とは、炭水化物を徹底的に制限する食餌療法で、なんと1日5~10グラム以下に制限する。
これくらいの炭水化物は、野菜を食べればすぐに摂れてしまうので穀物やジャガイモなどの糖質の多い野菜は一切食べない。
足りないカロリーは、脂質(油)を増やしてまかない、ビタミン・ミネラルのサプリメントなども併用する。
こういう食餌療法をなんと2年前後も行うという。
2年も炭水化物を食べないなんて、ちょっと信じられない生活ではあるが、しかしそれでも生きていけるわけだから、炭水化物は、必ずしも必要でないか、あるいは最低必要量が、非常に少ないモノと考えられる。
ただし昔のケトン食療法は、脂肪を分解してできるケトン体を、エネルギー源として使える身体にするために、クッキーやあめ玉すら禁止していたので、なかなか継続するのが難しい療法だった。
なので最近はケトン食療法に様々な修正が加えられたり、炭水化物を極端に減らすアトキンス式ダイエットと組み合わせた、修正アトキンス式食餌療法というのも提案されている。
これは、ケトン食療法で入院するための準備として、アトキンス式ダイエットをしていた子供が、入院治療前に発作を起こさなくなったという報告があり、ケトン食療法とアトキンス式ダイエットが、相互に接近してきた結果らしい。
この修正アトキンス式食餌療法では、子供は1日10グラムまで、大人は15グラムまで、炭水化物を食べても良いとされているそうだが、それにしても少ない量だね。