死の直前に急上昇するホルモン
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人間が死ぬ直前の数日間に、急激に増えるホルモンがあるという。
それが「コルチゾール」というホルモンだ。
コルチゾールとは、ストレスを受けたときに、副腎皮質から分泌されるホルモンで、アドレナリンと共にストレスに対応する。
アドレナリンは心拍数や血糖値を上げ、血管を拡張して筋肉に血液を回し、瞳孔を開いて目を見張らせる働きをする。
一方、コルチゾールは血圧を上げたり、血糖値を上げて、戦いや逃走に備える。
このコルチゾールは非常に重要なホルモンなので、年を取っても分泌レベルは減らないのだが、逆にこれが、ボケや記憶力低下を引き起こす原因らしい。
というのも過剰なコルチゾールによって脳の「海馬」という器官が傷んで萎縮するということが分かったからだ。
海馬というのは、記憶を司る器官なので、ここが萎縮すると機能が衰え、ボケや記憶力低下が起こるということらしい。
コルチゾールは、年を取っても分泌量が減らないのに、なぜ海馬がやられてしまうのかというと、実は海馬を守る側のホルモンが減るからである。
このストレス耐性を上げるホルモンが、デヒドロ・エピアンドロステロン(DHEA)だ。
DHEAは、テストステロン(男性ホルモン)や、エストロゲン(女性ホルモン)に似た物質で、南米の山芋や自然薯に含まれている。
DHEAは、副腎や性腺で作られて、男性ホルモンの一つとして働いているのだが、年を取ると分泌量が減って、ストレスから脳を守る力が弱まってしまうわけだ。
コルチゾールとDHEA
年を取るとボケたり記憶があやふやになるのは、コルチゾールというホルモンによって、脳の海馬という器官が萎縮するかららしい。
海馬は記憶を司る器官なので、ここが傷むと記憶できなくなるのは当然だ。
戦争など、命に関わるような強いストレスで、PTSD(心的外傷後ストレス障害)になった人の脳を調べると、海馬が萎縮していたため、分かったらしい。
コルチゾールはストレスを受けたときに副腎皮質から出るホルモンなので、強いストレスによって過剰なコルチゾールが分泌され、それが脳を破壊したということらしい。
もちろん人間の身体には、ストレスに耐える仕組みも備わっていて、それを担うホルモンがDHEA(デヒドロ・エピアンドロステロン)だ。
コルチゾールが分泌されて脳がダメージを負っても、DHEAが脳を守ってくれると考えれば良い。
ところがDHEAは、性ホルモンの一種で、年を取ると分泌量が減っていってしまう。
一方、コルチゾールの方は年を取っても減らないので、攻撃側が優勢になり、脳へのダメージが蓄積してしまう。
その結果、海馬が萎縮して、記憶があやふやになり、ボケ老人が誕生するということらしい。
となると、やるべきことは、DHEAを増やすことで、アメリカではDHEAサプリメントが人気だという。
DHEAサプリメントは性ホルモンの分泌を促すので、それで「若返り効果がある」と考えられている。