日本人の死因の推移 男性
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我々日本人は、一体何で死ぬのだろう。
年を取ったらどういう死に方をするのだろう。
それを考えるために、日本人の死因についていろいろ考えていくことにする。
最初は日本人の死因とその推移を、OECDの統計から拾ってグラフを作ってみた。
これを見ると、1960年(昭和35年)から、2010年(平成22年)までの50年間で、死因の構成比がかなり違うことが分かる。
死因の構成の推移(日本・男性)
50年前は、ガンで死ぬ人は今の半分くらいで、脳卒中で死ぬ人が多かった。
ところが今は、ガンで死ぬ人が多くなり、肺炎で死ぬ人が増えた。
実数のグラフがこちら。
死亡者数の推移(日本・男性)
これを見ると、ガンの伸びと肺炎の伸びがもの凄いね。
あとでガン別の死亡者数も見るが、ガンの中でも肺ガンが増えていて、肺のトラブルで死ぬ人が増えているようだ。
肺炎と肺ガンは、原因が全然違うのだが、それでも肺を健康に保つというのは、重要な視点だろうな。
低栄養は、血管を弱くする
かつて脳卒中で死ぬ人が多かったのは、日本人の血管が薄くて破れやすかったからだ、…なんていう人もいるが、栄養状態が良くなったせいなのは確かだろう。
昭和30年代というと、家庭で油を使った料理が流行だし、とんかつなどの揚げ物や、中華料理を家で作るようになった頃だ。
この頃から日本人の食生活は大きく変わったと言われていて、身体を作る二大栄養素のタンパク質と脂肪の摂取量が増えた。
体格も良くなって、平均身長も江戸時代より10センチも伸びた。
日本人の体格は、意外なことに江戸時代が一番貧弱で、おそらく稲作などが広まって穀物食中心になったせいだろう。
子供の頃にタンパク質不足になっているため体格が悪く、平均身長も150センチ台だったと考えられている。
その頃に、アメリカ人にあったわけだから、ホントに大男たちに見えたんだろうね。
ただその一方で、呼吸系の病気(肺炎、インフルエンザ)で死ぬ人の割合が増えているのは、ちょっと解せない。
そこで年齢別人口を一定に調整した標準化死亡率の推移をみる。
日本の標準化死亡率の推移(男性)
これを見ると、ガン死や肺炎死が伸びている直接的な原因は、高齢化だってことだな。