アルツハイマー病とは?
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アルツハイマー病とは、ドイツの精神科医アルツハイマーが、百年ほど前に発表した症状だ。
アメリカのレーガン元大統領や、イギリスのサッチャー元首相などが患った病気としてもよく知られている。
認知症というのは、簡単に言うと、ちゃんと働いていた脳が、何かの原因で、ちゃんと動かなくなる病気だ。
認知症には、脳血管性認知症、前頭側頭変性型認知症、レビー小体型認知症(パーキンソン病)など様々なタイプがあるのだが、一番多いのがアルツハイマー病だ。
アルツハイマー病では、記憶を司る海馬という部分が壊れ、神経細胞がジワジワと死んでいく。
そのため記憶が丸ごと無くなってしまう。
老化に伴う物忘れは一時的なモノで、何かの拍子にまた思い出すことも多い。
しかしアルツハイマー病の場合は、記憶していた細胞が死んでしまうので、思い出そうとしても全く思い出せない。
そして毎日当たり前のようにやっていたことも、すっかりやり方を忘れてしまったり、途中で分からなくなってしまったりする。
会話の途中で言葉が見つからず、話すのを止めてしまったり、「腕時計」など、ごく普通の単語も思い出せなくなったりする。
このアルツハイマー病型認知症が近年、急激に患者数を増やしている。
ということでまず、アルツハイマー病が含まれる神経系疾患(アルツハイマーやパーキンソン病)の死亡者数の推移グラフだ。
神経系疾患(アルツハイマー病など)による死亡者の推移と国際比較
このグラフだけを見ると、アルツハイマー病は、アメリカで爆発的に増えているように見えるが、標準化死亡率で見ると、アメリカだけの問題じゃないことが分かる。
アルツハイマー病の予防
アルツハイマー病の特徴は、覚えていたことが全く思い出せなくなると言うことだ。
自分でプランを立てても、その通りに実行することが難しく、数字を扱うのもうまくいかなくなっていく。
時刻や場所と言ったものが分からなくなり、現在時刻や現在位置が分からなくなったりもする。
視覚情報にも混乱が起こり、自分が映っている鏡を見ても、誰か別の人だと思い込んだりすることもある。
アルツハイマー病とはつまり、子供の頃から学んできた、様々な知識がどんどん失われていく病気であり、脳の退行性変性疾患(退化)であるというわけだ。
アルツハイマー病を予防するには、
- 魚(EPA・DHAなどの脂肪酸)の摂取
- 野菜果物(ビタミンE・ビタミンC・βカロテンなど)の摂取
- 赤ワイン(ポリフェノール)の摂取
またココナッツオイルに多く含まれる、中鎖脂肪酸という油が、脳細胞の死滅を防ぐとも言われている。
疫学的には、1日に1回以上魚を食べている人と、ほとんど魚を食べない人を比べると、毎日魚を食べる人は、発症リスクが約5分の1になるらしい。
また散歩よりも強い運動(有酸素運動)を週3回以上している者は、全く運動しない者と比べてアルツハイマー病のリスクが半分に減るという。
これを見ると、イタリアやフランス、スペインなどのいわゆる「地中海食国」の発症率が低くなりそうなもんだが、標準化死亡率をみると、そうでもない。
神経系疾患 標準化死亡率の推移と国際比較
一方、日本のこの死亡率の低さは、原因がよく分かっていない。
死因の診断基準が欧米と異なるので、アルツハイマー病での死亡率が異常に低くカウントされている可能性もある。