アトピー性皮膚炎と黄色ブドウ球菌
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アトピー性皮膚炎は、子供の病気かと思っていたら、大人でもかかる病気だという。
子供の頃にアトピーだった人が、再発するというのならまだわかるが、子供の頃にアトピーではなかった人に、突然アトピーが出る場合も多いらしい
なのでアトピーって一体何だ?という感じだが、現在も原因はよく分かっていないらしい。
そして実は、私も56歳になったときに、突然アトピー性皮膚炎になった。
それまで、カサブタができても、一週間もすれば完治してしまい、跡も残らなかったのに、なぜかカサブタが減らずに、ジワジワと増えていった。
最初はほんの10コ程度のカサブタだけだったのだが、それが20コになり、30コになっていった。
場所も背中や二の腕だけだったのに、胸や腹などにも少しずつできて、増えていった。
「これは一体どういうことだ?」という感じで、だんだん心配になって、カサブタが増える症状が出る病気を検索していた。
ところがそんな病気は中々見つからず、これがアトピー性皮膚炎だと気づいたのは、1年も後のことだった。
その頃には、カサブタは200コくらいまで増えており、二の腕は赤黒いカサブタの斑点だらけになっていた。
さらにカサブタは太ももやスネ、ふくらはぎといったところまで増えていた。
というのも朝起きたら、肩や胸をボリボリ掻いてカサブタをはがし、昼寝から起きては、またはがす。
パソコンに向かっている時間も、スネやふくらはぎをボリボリ掻いているし、夜寝る前に横になったら、なぜかまた身体が痒くなってボリボリ掻く。
治りかけたらまたカサブタをはがし、さらに新しいカサブタを作っていったわけだから、どんどん増えるのも当然だった。
そして実はこれが、アトピー性皮膚炎で問題になる「黄色ブドウ球菌」を、体中に拡げていたって事らしい。
増えすぎた黄色ブドウ球菌を、
アトピー性皮膚炎は、皮膚の痒みをボリボリ掻くことでヒドくなっていく。
なぜ痒いのか、なぜ拡がるのかは、最近まであまりよく分かっていなかった。
というのもアトピー性皮膚炎を引き起こす病原体が特定できず、どういうメカニズムで起こっているのかよく分からなかったからだ。
ところが近年、肺炎などの原因菌の一つである「黄色ブドウ球菌」がアトピー性皮膚炎を酷くすることが分かってきた。
黄色ブドウ球菌は、人間の鼻の穴などに住んでいる細菌なのだが、これがアトピー性皮膚炎の弱った肌に大繁殖していることが分かった。
人間の肌には、普段から十数種類の細菌が住んでいて、皮膚細菌叢(ひふさいきんそう/皮膚フローラ)というモノを作っている。
そして毛穴などに住んでいる細菌(常在菌)が、汗や皮脂などを分解して、皮膚を弱酸性に保っている。
健康な肌は弱酸性に保たれているので、黄色ブドウ球菌がいても、普段は大繁殖して増えて毒素をまき散らすことはない。
ところが肌をボリボリ掻くと、肌は弱アルカリ性になる。
人間の血液も体液も弱アルカリ性で、染み出てくるのは弱アルカリ性の液体だから、黄色ブドウ球菌が好きな環境が生まれてしまう。
そこで黄色ブドウ球菌が傷口に入り込んで、巣を作る。
さらに黄色ブドウ球菌だらけのカサブタをボリボリ掻いた爪で、別の場所を掻いたりするから、またそこに新しい黄色ブドウ球菌の巣ができてしまう。
これが何度も繰り返されることによって、アトピー性皮膚炎が酷くなってしまうわけだね。
これを防ぐには、増えすぎた黄色ブドウ球菌を減らし、弱酸性の皮膚環境を取り戻さねばならない。
そのために役に立つのが「ココナッツオイル」だという。
ココナッツオイルには「ラウリン酸」という脂肪酸が多く含まれているのだが、これが黄色ブドウ球菌に対して強い抗菌力を持っていて、滅菌に効果的らしい。