運動しないと筋肉が減り、それで太る
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年寄りになると身体が硬くなり、なかなか運動できなくなっていく。
しかし実は年寄りこそ運動が必要で、運動不足の方が身体に負担を掛ける。
というのも運動不足になると、心血管系の病気、ガン、糖尿病が起こりやすくなるからだ。
現代人の死因の4分1は運動不足で、座業型ライフスタイルが原因だと言われているが、年を取るにつれてそれが深刻化するのだ。
では年寄りが運動をしないと、何が起こるのか。
まず加齢による代謝変化が起こり、脂肪酸をうまく利用できなくなる。
そして免疫力が落ち、動脈硬化リスクが増す。
加齢による代謝変化とは、簡単に言うと、年を取ると筋肉量が減って体脂肪が増えるということだ。
若い頃は、太っていても筋肉がしっかりついている。
太っている人が相撲で強いのは、脂肪の下に筋肉がしっかりついているからだ。
しかし年を取ると筋肉量自体が減って、基礎代謝量が減り、それで太る。
基礎代謝量とは、生きていれば、何もせず寝ていても消費するカロリー(エネルギー)のことだが、これは除脂肪体重(脂肪を除いた体重)に比例する。
なので筋肉量が減ると基礎代謝量も減る。
しかし基礎代謝量が減っても、毎日食べる食事の量は急には減らないので、その分、脂肪として蓄えられてしまうワケだ。
そして脂肪が増えると今度は、インスリンが効きにくくなって、糖尿病の発症リスクが上がってしまうのだ。
運動しないと筋肉が減り、骨も減り、太って病気になる
年を取ると、急に太りやすくなる。
というのも筋肉量が減って、基礎代謝量が減っているのに、食事の量は少なくならないもんだから、身体に脂肪がついてしまうのだ。
年を取ると誰でもインスリンの分泌量が減り、高血糖で糖尿病リスクが上がるのだが、脂肪がついてしまうとインスリンが効きにくくなるから、糖尿病リスクがさらに上がってしまう。
つまり運動して筋肉量を維持しないと、太るだけではなく、糖尿病を初めとして、さまざまな慢性病になってしまうわけだ。
では年を取ると筋肉量がなぜ減るかというと、成長ホルモン分泌量が減るからだ。
成長ホルモンは、70歳までになんと40%も減ってしまうという。
その間に体力は30%以上ダウンしてしまい、それでさらに運動量が減り、筋肉が減るという悪循環だ。
また35歳を過ぎると、骨の量も減り始める。
そして骨量は毎年1%ずつ減少し、閉経後の女性は減少量が3%ずつになる。
さらに筋肉は使わないと硬くなり、関節は変性して柔軟性を失う。
柔軟性を失うと、転倒などでケガをしやすくなってしまう。
特に問題なのが、「サルコペニア肥満」という肥満で、太ってはいるのに、筋肉が減っていて、生活習慣病にかかりやすくなる。
なので年寄りこそ運動しなければならない。
健康を維持するために必要な運動量は、30分の体力トレーニングが週3回以上だという。
ウエイト・トレーニングも骨量維持に必要だ。