ストレスを減らして心臓を守れ記事一覧

人間が死ぬ直前の数日間に、急激に増えるホルモンがあるという。それが「コルチゾール」というホルモンだ。コルチゾールとは、ストレスを受けたときに、副腎皮質から分泌されるホルモンで、アドレナリンと共にストレスに対応する。アドレナリンは心拍数や血糖値を上げ、血管を拡張して筋肉に血液を回し、瞳孔を開いて目を見張らせる働きをする。一方、コルチゾールは血圧を上げたり、血糖値を上げて、戦いや逃走に備える。このコル...

アメリカで、若返りのサプリとして40代以上に人気のあるのがDHEAだ。DHEAとはデヒドロエピアンドロステロンの略で、南米の山芋や、自然薯(山芋)に含まれる成分だ。山芋は日本でも精力剤として考えられているが、その原因成分がこのDHEAだったんやね。DHEAは男性ホルモンの一種なのだが、体内でテストステロン(男性ホルモン)やエストロゲン(女性ホルモンの一つ)に転換される。年を取ると性ホルモンの分泌量...

年を取ると免疫力が落ちて、風邪から肺炎を引き起こしたり、インフルエンザで死亡したりする。この免疫力の主力は「補体」や「免疫グロブリン(抗体)」というタンパク質で、タンパク質さえしっかり摂っておれば大丈夫。…という話を以前書いたが、どうもタンパク質だけでは、ちょっと不足らしい。タンパク質が免疫力を支えているのは確かなのだが、タンパク質だけでは、免疫応答が鈍るのだ。免疫システムというのは複雑で、新しい...

年を取ると免疫応答が悪くなる。免疫応答とは、異物(病原菌やウイルス)が体内に侵入したとき、免疫システムが働いて異物を排除することだ。タンパク質不足だと免疫応答が鈍くなるが、年を取ってもやはり免疫応答が鈍くなる。タンパク質不足の場合は、異物が体内に侵入しても、それを退治するための武器がたくさん作れないために、免疫力が不足して病気にやられてしまう。しかし年寄りの場合はまず、「異物侵入に気づけない」のだ...

ストレスとは、外部から力が加わったときに、内部に生じる「応力」のことである。たとえばバネを引いたり押し縮めると、内部に歪みが生じ、様々な力が働く。消しゴムを軽くねじったりすると、やはり内部にひずみが生じ、様々な力が生まれる。こういう内部の歪みに対して発生する力が、材料工学のストレスという概念だ。ストレスは、外部から加わった力に対して、内部に生じる歪みを押し戻そうとする力であり、自分自身が壊れないよ...

カナダの心理学者ハンス・セリエは、様々な外部環境の刺激によって、動物が同じ反応を起こすことに気づいた。そして1万5000匹もの動物を使って実験を行い、音や光などの物理的な刺激を与えても、薬や臭いなどの化学的な刺激を与えても、同じような反応を起こすことを確認した。一番わかりやすい反応は、食欲不振と血圧上昇だが、他にも様々な共通反応があることが分かった。この反応にセリエは「ストレス反応」と名付け、スト...

ストレス反応とは、外からの刺激に対する、共通した反応のことである。ストレスを引き起こす原因には、物理的な原因・化学的な原因・生理的な原因・心理的な原因など非常に様々な原因がある。ところがこれらに対する反応はどれも同じで、それをカナダの心理学者ハンス・セリエは、3段階のレベルに分けて説明した。それが「警告反応期(ショック相・抗ショック相)」「抵抗期」「疲労困憊期(ひはい期)」というものだ。これらは全...

年を取ると、ストレスに弱くなる。長い人生で色んな経験をして、色んな知恵を身につけても、肉体はジワジワ壊れていく。その最大の原因は、身体を守ってくれるホルモンの分泌量が減少することだ。アドレナリンやノルアドレナリン、コルチゾールなどは、ストレス時に血圧や体温や血糖値を上げ、戦いや逃走に備えるホルモンで、年を取ってもさほど分泌量は減らない。これらは命の危険に対処するホルモンなので、年を取っても、さほど...

アディポネクチン(Adiponectin)とは、脂肪細胞から分泌される生理活性物質(アディポサイトカイン)の一種で、代謝を調節するタンパク質ホルモンだ。アディポネクチンは、2型糖尿病や肥満、アテローム性動脈硬化、NAFLD(非アルコール性脂肪肝)、メタボリックシンドロームを抑制する役割を持っている。アディポネクチンがどう働くかというと、脂肪酸を燃焼させて消費し、インスリン無しで血中のブドウ糖(血糖...