老後に必要なのは、健康とお金。
老後の心配といえば、なんと言っても「健康」と「お金」。
この二つが揃っていてこそ、楽しい老後を送ることが出来る。
しかしどちらが欠けてもダメである。
たとえば健康があっても、お金がなければ、出かけることも出来ず、狭い地域をウロウロしてただ生きているだけの人生に終わる。
逆にお金だけがあっても、健康がなければ、毎日大量の薬を飲み、病院通いを続け、ただただ病気や介護にお金を使うだけのつまらない人生になってしまう。
だから健康とお金のどちらが大事かと言うことは、一概には言えないことである。
しかしどちらを優先して考えるべきかと考えれば、先に考える必要があるのは「健康」であろう。
というのも年を取ると、若いときと比べてはるかに病気にかかりやすくなるし、ケガをしても治りが遅くなるからである。
あとで詳しく書くことになるが、加齢に伴って様々な器官に衰えがでて、太りやすくなるし、記憶力も落ちてくる。
骨は弱くなるし、神経の伝達スピードも遅くなるし、皮膚感覚や味覚も鈍くなって、栄養不足も起こる。
そして風呂場で転倒でもして頭でも打ったら、寿命はあっという間になくなってしまう。
頭を打たなくても、股関節や骨盤を骨折でもしたら、6ヶ月以内に死ぬか、要介護になってしまう。
そうなると、ケガや病気の治療費がかさんで、いくらお金があっても、足りなくなってしまう。
これでは、いくら老後のためにお金を貯めていても、ケガや病気の治療のために使うだけになってしまう。
老後の治療費のためにお金を貯めるなんて、むなしい話だから、まず「健康」ってことだね。
年を取ると、5~8倍もの医療費がかかる
良い老後を迎えるためには、お金も健康も重要である。
しかしどちらがより大事かと言えば、これはもう健康だろう。
というのも老後のために、いくらお金を貯めていても、老後の医療費というのは、若い頃には想像もしなかったくらいかさむので、健康でなければ、お金はあっと言う間に消えていくからだ。
老後の医療費が、いかに高いかは、アメリカの医療費を見れば分かる。
病気には4つのジャンルがあって、それは
- 遺伝性の病気
- 感染症(風邪や伝染病)
- 外傷に伴う病気
- 老化の変性疾患(老化にともなう病気)
これは一人あたりにすると年間1万ドル(約百万円)にもなり、いかに高額な出費になるかって話だね。
アメリカの医療費は、日本やヨーロッパよりバカ高いので、単純に比較することは出来ないと思う人もいるかもしれない。
しかし実は日本でも、高齢者の医療費はかなり高いのだ。
たとえば厚生労働省が毎年出している「年齢階級別一人当たり医療費」(H.22)というデータでは、5歳刻みで一人あたり医療費を計算している。
これをみると
- 70歳~74歳では、年間医療費は60.9万円
- 75歳~79歳では、76.1万円
- 80歳~84歳では、89.1万円
(参照:年齢階級別一人当たり医療費)このデータでの35歳~39歳の医療費は11.3万円なので、年を取ると、中年の5~8倍もの医療費がかかることになる。
そういうわけだから、老後は健康でなければ、いくらお金を貯めていたとしても無駄ってことだね。
それよりもまず、年を取っても健康でいられるように、生活習慣を整えておくほうが良いってことだ。
ということでこのサイトでは、老後に備えてアンチ・エイジングについていろいろ調べてまとめてみることにする。
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